こうしてカンガルーストップができました...

年の末に、私は当時誰も理解しなかったこと、しかし後に私の人生にとっては最高のこととなった、ひとつの決断をしました。今後の人生を考えるために、それまでの良いお給料を頂いていた仕事を休職してリュックザックを担いで一人、地球の裏側にあるニュージーランドへ3ヶ月間の旅に出かけたのでした。
故郷への帰り道に、私はいままでの仕事にはもう戻らず、その代わりホステルを経営してみたいという強い衝動に駆られましたが、それは私にとってはまだずっと遠くの星の世界の事柄でした。故郷へ帰ってからしばらくの間は、仕方がないので時間給でもとの仕事に着きましたが、その間にこのドレスデンでホステル経営が可能かどうか、落ち着いて調べることができました。そして会社勤めを始めてから10年後の2002年の秋にはついに、それまでの長期にわたる職場仲間たちとの最終的な決別を決定するに至りました。
2003年6月には現在の物件を見つけ、そこから売り手、銀行そして役所との困難な、しかし粘り強い交渉が始まりました。その当時、私には25%の自己資金はおろか営業知識あるいは営業経験もなかったため、まずすべての銀行から拒否され、長い苦難の戦いが始まりました。しかし頑張った甲斐が実って2004年10月には不可能が可能に転向しました ? ついに出資者が現れたのです。
翌年の2月末には物件の引渡しが行われ、役所からの改築許可も降りました。とうとう夢から現実への出発です！ 私は当時のことをまだはっきりと思い出すことができます。それは2000年3月にアイデアを持って再び故郷に戻ってから5年経過していました。この5年間を振り返ってみると、私は本当に夢を現実にしたのだという実感を持ちました！ 最初、私が仕事を辞めてホステル経営のアイデアを語ったとき、多くの人々がそれを理解しようとせずに首を傾げました。私は絶えず自分自身に言い聞かせました、- 自分を信じることだ - と。今思い出すと、この5年間に私は何度も自信を失いかけました。前進することがまったく不可能に思えたことが少なからずありましたが、そのつど地平線には朝日が輝き、私を励ましそして勇気付けてくれたのでした。そしてその努力がいま、はっきりと報われたのです!　
それこそ｢すべてを一袋に詰め込んで｣がむしゃらになんとか進んで行くうちに、思いもよらなかった友人たちからの応援があり、それは｢カンガルーストップ｣の開店まで続きました。彼らは週末毎、休日毎に私を手助けしてくれたのです。当時私は、私一人で行う改造と改築に約3ヶ月間(これは誰が考えても妄想的計画でした)見ていたのですが、彼らは土曜日、日曜日毎に毎回やってきて一致団結して仕事を推し進めてくれたのです。それはまったく奇跡のようでした!
5月30日は建築監察日で、それまでに2つの建物合わせて約1100平米の利用面積、そして約2500平米の外部敷地面積を、わずか3ヶ月のうちに完全に改築し終えたのです。
2005年6月には｢ホステル･カンガルーストップ｣は最初の宿泊者を受け入れました。そしてそれ以来、毎日ドイツからあるいは世界各国からの宿泊者が当ホステルを訪れています。勿論、旅行者各個人の望みはそれぞれちがいますからすべて満足いくようにはなかなかできませんが、宿泊者たちの旅行をより充実したものにするために、日夜ベストの努力を行っています。
近年、私は多くのことを成し、それらを通して多くのことを体験しました。そして私は、それが本当に正しかったことを自ら実証しました：｢求めよ、さらば与えられん｣。多くの知識と新たな体験は、私のそれまでの物の見方を根底から覆しました。そしてそれらは私の人生を変え、多くの新たな展望を与えてくれました。
友人たちが私とこの計画に自由意志で多大な協力を惜しまなかったことにたいして、ただ｢ありがとう｣の一言だけではとても表すことができません。書き表すことのできないこの応援は、私にとってまさに考えることのできる最も美しい贈り物でした。彼らが自由な時間内に任意に創造してくれた資材的価値は勿論のこと、彼らがカンガルーストップに投入した努力の形跡には、特別な思い出があります。
将来が何をもたらすとしても、仕事を辞めてニュージーランドに旅したことは、私の人生において最高の決断でした。そしてその後に付いてきたことは、私が私にとって正しい道を歩んでいることを示してくれました、これは｢私の進むべき道｣なのです。
すべての従業員ならびに特に今日のカンガルーストップが存在するために協力してくれたすべての人々の名において、ドレスデンへの訪問が忘れ難き思い出となり、特別な成り立ちを持つ当ハウスに今後も多くの宿泊者をもたらすことへ貢献してくださる宿泊各位様に、当ハウスのご利用を心よりお礼申し上げます。

リアーネ(当ホステル女将)

｢カンガルーストップ｣の名はどこから来たの？　...それを知るためにはぜひ一度当ホステルをご訪問ください。